こんにちは、現役公務員ブロガーのりょうすけです。
電通の残業事情ってなかなかすごいですね。
今回は、電通の過労死事件の影響で最近話題になっている「残業」について、公務員である私が「公務員の残業事情」について書いてみたいと思います。
公務員の残業代不正受給やみなし残業などの話は、ニュースで良く発表されるので、今回はあまり知られていないネガティブな面を書いていきます。
公務員の残業の実態について
1.公務員の平均残業時間は全くあてにならない
公務員の平均残業時間が、アンケート調査により時々ニュースで公表されます。
しかし、これを参考に就活する学生に言いたいことがあります。
「こんな結果を参考にして就活してもが全く意味がない」と。
公務員の業務は本当に幅広いです。
市役所を例に挙げると、部署は総務、財務、福祉、市民、土木、建築、環境など様々あります。
大げさでなく、隣の部署は、「もはや違う会社なのではないか」というほど仕事の内容が違います。
そうなると、残業時間も部署により全然違います。
つまり、公務員の平均残業時間を参考にして、就職活動をするという行為は、日本の平均残業時間を参考にして、企業選びしている行為とさほど変わりがありません。
日本の会社には、「残業がない会社」もあれば「月に200時間以上残業をしなければならないようなブラックな会社」もあります。
公務員の場合、部署が違うだけでこれぐらいの差があるということです。
人事部や土木部に行けば、月100時間の残業は当たり前です。
公務員の残業時間はもはや参考にすらならない数字だと思って下さい。
2.キャリア組は朝3時帰りは当たり前
現在私は国家公務員として働いています。
以前私の所属していた部署に、旧国家1種(国家総合職)からリタイアしてきた方が配属され、一緒に仕事をする機会がありました。
私たちの間では、「霞ヶ関は不夜城である」と言われていましたが、その方の話を聞いてそれが大げさな表現ではないことを知りました。
※霞ヶ関:内輪の表現であり、日本の中央官界のことをこう呼ぶ
国家1種を辞めた方の話
その方は、旧帝大を卒業され国家公務員1種試験を突破され国家公務員となりました。
いわゆるキャリア公務員です。
国家公務員には棒給表と言われる給与表があります。
1級から始まり、順に級が上がって行くほど給与が上がります。
通常の職員は1級から始まりますが、キャリアは2級から始まります。
出世のスピードも圧倒的に早いです。
国家公務員で上を目指すならキャリアで採用されるしか道はないです。
そんなキャリア公務員の仕事についてですが、数年周期で霞ヶ関と地方を行き来します。
その方の話によると、霞ヶ関で頑張って働き、地方勤務の時にゆっくりするのだそうです。
その方は、始めに霞ヶ関配属となりました。
配属されたその日から、0時を超えて仕事をしたらしいです。
それからは、毎日9時から26時(深夜2時)まで働いたとのことです。
そして、土曜日は睡眠に時間を費やし、日曜日は生活必需品を買って、家事をしたら終了、そしてまた月曜を迎えるという繰り返しでした。
それでも、深夜2時に帰ることができるのはまだ早い方だったみたいで、3時、4時に帰る人はざらで、さらに土日に休みがあるだけでも良かったと言われていました。
その方は、結局1年を待たずに退職を上司に告げたそうです。
その方は優秀だったので、結局辞めるのではなく地方に行く(キャリアを捨てる)ということになり、こちらに来られたそうです。
その方曰く、「やる気になったらいつでも戻ってこい」と上司に言われたらしいのですが、2度と戻る気はないそうです。
3.国家公務員は労働基準法が適応されない
これを知った時に、民間企業で働いたことのある私は少し怖くなりました。
ブラック企業であれば、最後の拠り所として労働基準監督署があります。
ここに相談すれば、企業に対し是正勧告など、労働者を守ってくれます。
しかし、国家公務員は国民のために働いています。
国民に奉仕する意味合いが強いので、公務員は実際に労働者として保護しなければならないという必要性が低いと思われているのかもしれません。
4.災害時に帰らされる会社員、出勤させられる公務員
最近の日本は、異常と言われるぐらい災害が多いです。
地震や台風の影響による洪水、これらの警報が発表されるたびに公務員は家に帰らずに庁舎に待機します。
国家公務員でいうと国土交通省、市役所でいうと土木局、災害対策系の局が特にその影響を受けます。
私も市役所で勤務している時に、台風接近による水害の対策で市役所に泊まり込んだことがあります。
基本は待機しており、夜の間に2回ほど担当区域のパトロールをしました。
その日の警報が解除されたのは朝の7時でした。
当然9時から仕事があるので、その日の業務を普通にこなしてから帰宅しました。
私はまだマシで、管理職は2日続けて泊まっていました。
この月の防災部の残業時間は200時間を超えていました。
今のご時世、万が一水害が起きた時に、市役所職員が待機していなければ、不祥事としてすぐにマスコミに取り上げられます。
以前は待機命令が出ないような状況でも、とりあえず待機させておくという風潮になっており、庁舎の泊まり込みが年々増えているのが今の現状です。
5.選挙が増えると疲弊する公務員
投票にはちゃんと行ってますか。
投票所に行くと、投票用紙配ったり、名前確認をしたりする人いないですか。
あれって、市役所の職員なんです。
選挙当日になると、各市ごとに数十ヶ所の投票所が設置されます。
その全ての場所に、10名弱の職員が働くことになるので、市役所にもよりますが、だいたい10%〜20%の職員が参加しています。
そしてこの選挙事務がまた激務なのです。
私が選挙事務を経験したときの話です。
まず選挙前日に、自分が担当する投票所に行って、投票所の準備(設営)をします。
机を並べたり、投票箱を設置したり、土足厳禁である場所であればブルーシートを敷きます。
そして、選挙当日の打ち合わせをして、その日は解散します。
時間にすると2時間程度です。
そして選挙当日です。
7時から投票が開始されるので、6時半には投票所に到着しなければなりません。
電車に乗る人は始発に乗ることになります。
到着するとすぐに、看板の設置や投票用紙の準備などを行い、あっという間に7時になります。
どの投票所も開始前から並んでいる強者有権者がいるので遅れるわけにはいきません。
(もちろんそうでなくても遅れるわけにはいきませんが。)
それからは、ずっと椅子に座って案内や氏名の確認作業です。
基本的に、休憩時間以外は座りっぱなしです。
忙しい時はまだいいのですが、誰もいなくなる時間帯は眠気との戦いです。
暇をつぶすものはない(携帯も当然触れない)し、始発で出発して働いているので、めちゃ眠いです。
さらに、夏にエアコンのついていない投票所に当たってしまうとさらに地獄です。
今のご時世、真夏の昼間にエアコンが付いてない室内にいる状況ってなかなか経験できないですよね。
めちゃくちゃ暑いですよ。(笑)
さらに暑いと、有権者もイライラするので、怒鳴られることもしばしばあります。
こちらの不手際なら仕方がないのですが、クレームのほとんどが選挙制度についてなので、正直私達に言われてもどうしようもないんですよね。
その時は、柳のように受け流しながら嵐が去るの待っています。
冬は冬で暖房器具は支給されますが、足元から冷え本当に寒いです。
ヒートテックのスパッツ2枚履きプラス、スノボ用のソックスを履いていても冷えました。
有権者が扉を開けて入ってくるたびに冷気が入ってくるので、その度に凍えてました。
そんな状況で何とか20時まで働きます。
20時になって、投票を締め切ってからがまた忙しいです。
開票時間が決まっているので、すぐに投票用紙の枚数の確認や投票所の撤収に入ります。
そんなこんなでその作業が終えると時間は21時近くになっています。
ここまでで、すでに14時間半ぶっ通しです。
しかし、されに悪夢なことに、一部の職員はそこからさらに開票作業に駆り出されます。
開票担当になったものは、すぐに開票所に赴きます。
22時ぐらいから開票作業が始まって、終わるのは0時を超えます。
特に、首長選挙や国会議員(衆議院、参議院)の選挙がかぶると2時ぐらになることもしばしばあります。
さらに、投票用紙の数が合わないと何度も数え直し、枚数が合うまで帰れません。
私の最長記録は、朝の4時まで開票作業をしたことがあります。
私の連続勤務記録はこの21時間半です。(笑)
そして、それが終わると月曜の朝です。
他の職員と同じように市役所に出勤し、通常の業務を行い、解放されるのはその日の定時になる17時半以降です。
仮眠を1時間挟みましたが、この時は日曜の6時半から月曜の17時半の実に、35時間もの間職場にいたことになります。
このように選挙事務は大変です。
本当に首長や議員の不祥事による再選挙はやめて欲しいです。
まあ中には、小遣い稼ぎだと喜んで選挙事務に参加するおっさん公務員もいるんですけどね。
公務員のサービス残業について
1.予算ですでに決まっている公務員の残業代
民間の企業であれば、ブラック企業でない限り、残業をすればその対価として賃金(残業代)を得ることができます。
しかし国家公務員の場合は少し違います。
国には予算があり、次の年の予算はその前年に決められます。
各省庁にも予算があり、事前に振り分けられ、それに基づき業務を行なっていきます。
つまり、人件費についても事前に予算が決まっているので、残業代に費やすことができる予算も決まっているのです。
ある程度までは、残業代が出ますがそれ以外はどれだけやっても残業代は変わりません。
実際は、残業時間の比率によって残業代もある調整されるので、厳密に言うと残業時間が長い方が若干残業代が多くはなりますが‥
私の場合でいうと実残業時間の3割程度の残業代しか出ていません。
私は、民間企業経験者なのでものすごく違和感を感じますが、最初から公務員である同僚はそれほど変に感じていない人も多いので逆に驚かされます。
2.ずさんすぎる残業管理システム
市役所や県庁には、民間企業にあるようなセキュリティゲートが存在しません。
民間企業は不特定多数の人間を会社の中に入れたくないのに対して、市役所や県庁には不特定多数(住民)の人が来庁されるので当然です。
このセキュリティゲートが実は、入退場管理の役割も果たしています。
ゲートがある企業の職員は、入退場が管理されているので、残業の過少報告をしてもあとでバレるので、良くも悪くも事実を申請しなければなりません。
私が民間企業で働いている時に、残業時間と入退場との時間の乖離が大きすぎて、後日人事課に呼び出されてめちゃ怒られたことがあるので本当です。(笑)
つまり、市役所や県庁など地方自治体の場合は、残業時間は個人の裁量に任されます。例えば、上司に「残業を認めない」と言われればそれがまかり通ってしまうのです。
国家公務員の場合でいえば、住民が入ることがない本庁舎などはセキュリティゲートがありますが、地方の庁舎などはまだまだそんなものが設置されていません。
3.教師はサービス残業の宝庫
私には、教師の知り合いが数人います。
その知り合いが、皆口を揃えて「教師は割に合わない」といっています。
個人的には、教師は行政系の職員より給与が高いので、おいしいと思っていました。
でも実際はそうではないようです。
- 若手は雑用が多い
- 部活を担当する先生は激務
今は、ニュースで話題になっているので、知っている方も多いのではないでしょうか。
特に部活については、夏休みにほぼ毎日指導をしたとしても、スズメの涙程度の報酬しかないと聞きます。
私は実際に、教師として働いたことがないので、経験による民間企業や今の行政系の公務員との客観的な比較をすることはできません。
しかし、うつ病や離職率を見る限りにおいては、他の公務員よりきついのではないでしょうか。
私の同僚に教育大学卒の人がいますが、「教師になる人は、年々減っている」と言っていました。
4.旧体質な公務員は飲み会も未だに体育会系
あなたは、会社の飲み会って好きですか?
私は、好きでも嫌いでもありません。
もちろん、仲の良い友達と飲んだり、合コンしたりする方が好きです。
それでも、年に数回会社の人達と飲むだけで、仕事がやりやすくなるならそれはそれでいいのかなぁとも考えています。
話は変わりますが、公務員は民間企業よりも、体質が数周遅れています。
リストラについてや終身雇用などはよく知られた話ですが、飲み会についてもまだまだ昔の慣習が残っています。
誤解を恐れずに話すと、本庁舎で働く職員は優秀な職員が多いです。
働く姿勢や考え方についても、民間企業とさほど変わらないです。
他方、出先機関の職員となると少し様子が違います。
特に、50代で管理職でない方々はなかなかの強者揃いです。
私も出先機関で働いた経験がありますが、特にアフター5がすごかったです。
毎日飲みに付き合わされました。
そして、飲み会を断るとあからさまに仕事の邪魔をしてくるのです。
さすがにありえないと思いましたが、当事者達は何も感じていません。
結局、出先にいる数年間毎日飲みに付き合わされました。
後半は奢ってくれさえしなくなったので、本当に時間もお金も無駄だったと思います。
残ったのは、お腹のぜい肉だけでした。
今はこうしてネタにできますが、当時は本当に辛かったです。
公務員の9時5時勤務は幻想です
公務員の残業について、少しはわかっていただけたでしょうか。
(残業というテーマという性質上私のグチも少し入ってしまいました。)
私は地方公務員と国家公務員の両方を経験しています。
部署でいうと5ヶ所ほど経験していますが、毎日定時に上がれるなんていう部署には配属されたことがありません。
さらに、公務員特有の残業事情もあり、場所によってはその辺のブラック企業よりもブラックな職場も存在します。
楽に仕事をしたいという思いだけ公務員を選択すると必ず後悔します。
今回の残業についての記事を読んで頂いて、少しでも公務員についての理解が深まっていただればと思います。
「定時の仕事」+「副業」という選択肢
これまで紹介したように、現在の公務員という職業は思ったよりもきついです。単純に「楽をしたい」、という理由で公務員を選択する時代は終わったような気がします。逆に、最近よく思うのですが、それが理由なのであれば、楽な民間企業を探す方が手っ取り早いです。給料の部分にさえ多少妥協できれば、そのような会社はたくさんあります。これに異を唱える人はいないですよね。
これからは、給料が多少少なくとも「定時」もしくは「許容出来る範囲の残業時間」で帰る事ができる企業を自分の仕事場として選ぶ。そして、空いた時間で副業を育てていく。って方向に今後の会社員の働き方のトレンドが進んでいくと思っています。つまり、給料面以外はホワイトな企業を選び、副業で給料の不足分を補うという考え方です。
副業には色々な種類があり、自分に合った内容を選べば、恐らく企業での昇給割合よりも高い比率で収益源を育てる事も可能だと思いますし、私もそうです。実際に約1年で、残業代よりも副業収入の方が多くなりました。私なんてまだまだひよっ子で、ネット界隈では、実際にそれで食っていけちゃいそうな人がうようよといます。
そういう人達が増えることで、ブラック企業が存在できなくなる。その流れで公務員の残業実態も改善されていく、そんなことを密かに願っています。この記事を読んで、電通や公務員の長時間労働問題に注目している方の中には、自分自身も長時間労働の現場にいる方も多いのではないでしょうか。
ミイダスという転職診断サイトがあるのですが、これまでの「経歴」を元に、10分程度の時間で自分の「適正年収」や「市場価値」、「面接確定のオファー」を無料で診断する事が可能です。実際私も日付が変わるまで働かされる、というガチのブラック企業にいた事があるんですが、さっさと抜けるべきだと思います。スマホでゲームをする感覚で1度気軽に登録して、あなたの未来の参考にしてみてください。
ちなみに、私自身は3回転職しているのですが、ひとつの会社に無理して留まるのは安定ではなく完全な機会損失です。ちょっと会社を変えるだけで給料が上がったり、完全週休2日になったりして生活ががらりと変わりますからね。私の場合は、3回目の転職でようやく自分らしい生活ができる職場に出会うことができました。最後に私が実際に転職で使ったサイトも紹介します。
それがリクナビNEXTです。スカウト登録をしておくと、書類選考抜きでいきなり面接ができます。さらに、こちらからアクションを起こさなくても、企業側からオファーしてくれるので時間がそれほど取られません。オファーの種類は全部で3種類あるんですけど、その中の「プライベートオファー」なら、企業から個別面接の案内が届くので、書類選考をぶっとばしていきなり面接ができます。
今回紹介した、2サイトの特徴は、「どちらも転職にかける時間が少なくて済む」ということなんです。私が経験したからわかるのですが、働きながらの転職ってめちゃくちゃしんどいんですよね。そういう点で、この2サイトはあまり時間がかからず、軽い気持ちではじめられるのでおすすめです。とりあえず登録さえしておけば、企業からからオファーがくるので、今の環境に疑問があるのなら登録だけでもしてみるとよいかもしれません。