こんにちは、元地方公務員兼現国家公務員のりょうすけです。
公務員試験を受験しようと思い、書店に足を運んだあなた。
店頭の公務員試験コーナーに立った時に絶句しませんでしたか?
あまりの参考書の多さに
私はその場で呆然としました。(笑)
その後、ネットでググって参考書の評価を確認し、実際に本屋で読んでみて、良さそうなら買って試してみる。
ということを何度も繰り返して、自分に会った参考書を一冊づつ集めていきました。
改めて思い返してみると、参考書を揃えるのにかなりの時間を費やしました。
当時の私には必要不可欠な時間だったとはいえ、その時間を勉強時間に当てることができれば、もっと余裕をもって試験に望むことができたと確信しています。
なので、今回は独学で2年連続で公務員試験に合格した私が、実際に使って本当におすすめできる参考書を紹介します。
私が実際に使って本当によかったと思う参考書しか紹介しません。
少し長くなりますが、私のおすすめ参考書達を紹介していきますね。
これから独学で公務員を目指す方は必見です。
公務員試験の一般教養試験は、大きく6つに分けることができる
公務員試験は数多くある資格試験の中でも、難関に分類されている試験です。
最たる理由が、その膨大とも言える試験範囲です。
問題そのものはそれほど難しくないのですが、範囲が広すぎるので、それだけで公務員になることを諦める人が結構います。
いつまでも膨大だと言っていても仕方がないので、試験範囲を細分化します。
公務員試験は大きく【一般知能】と【一般知識】に分かれています。
この2つをもう少し細分化すると6つに分けることができます。
【一般知能】
- 1.文章理解
- 2.数的処理(数的推理、判断推理、資料解釈)
【一般知識】
- 3.自然科学(数学、物理、化学、生物、地学)
- 4.人文科学(日本史、世界史、地理、思想・文学・芸術)
- 5.社会科学(政治、経済)
- 6.時事問題
大きく分けてはいますが、6つだけです。
どうですか。頑張ればなんとかなりそうだとは思いませんか?
もしあなたが、国公立大学出身でセンター試験を受験している人であれば、とてもラッキーです。
公務員試験科目はセンター試験の試験科目とかなり被ってるんです。
さらに、詳しくは後述しますが、問題のレベルもセンター試験レベルか、もう少し優しいレベルです。
センター試験用の参考書もかなり重宝しました。
こんなことを言っていますが、私のスペックは私立中堅大学出身です。
センター試験なんて勉強しておりません。(笑)
だから、センター試験を勉強していない方も全然心配することはないですよ。
私が今から紹介する参考書だけやれば大丈夫!
だって私が合格できたんですから。
最初に過去問を解こう
他の資格試験でも共通すること。
それは最初に過去問を解くということです。
最初に過去問を解くことのメリットは大きく2つあります。
- 現時点の自分の実力がわかり、合格するまでの目標を逆算できる
- どの科目をどの程度勉強すれば良いかわかる
公務員試験は、時間との戦いです。
勉強時間を確保することが大前提ですが、どの科目にどれくらいの時間を注ぐかも同じぐらい重要です。
最初に過去問を解くと、その辺の勘所がつくので絶対にやりましょう。
私のおすすめの過去問です。
過去問500シリーズには、この本以外に「国家一般」と「市役所上、中級」があります。
問題の難易度としては
国家一般 > 地方上級(本書) > 市役所上、中級 という感じです。
私は、「地方上級 過去問500」が、問題の難易度と網羅度のバランスがよかったのでこの本を使っていました。
ちなみに国家一般(元国家二種)を受けた時もこのテキストで十分合格できたので大丈夫です。
少し話は変わりますが、公務員試験の過去問と言えば「スー過去」が最も有名です。
私も愛用しましたしこの本は大変良本です。
このシリーズを完璧にすれば間違いなく合格できるでしょう。
が、これを使うとあまりに量が膨大なので、全ての教科で使用するのはやめたほうが良いと思います。
私は部分的に使っていました。
どの科目で使うのが良いかも後述します。
公務員試験の全体を把握するには、「地方上級 過去問500」がベストです。
1.文章理解は「スー過去」をベースに毎日問題を解く
私が文章理解のために購入した参考書は2冊です。
ちなみに私は、英語と古文については全く勉強していません。
得意だったのではなくて大の苦手で、かつ勉強時間に対する得点のコスパが悪いと判断したので、捨てました。
当時のTOEICスコアは280でした。(笑)
まずはこれ。
この本を読むだけで、正答率が劇的に上がります。
この本を読めば、正解がわかるようになるわけではないですが、明らかに間違いである選択肢を削ることができるようになります。
これって結構大きい話で、四択の問題で例えば二択まで絞ることができれば、正答率が25%から50%に向上します。
正答率が2倍になるわけです。
公務員試験はこのように、消去法で答えがわかる問題が結構あります。
さらに言うと、この考え方は文章理解だけでなく、その他の分野でも応用できるので、一読することを強くオススメします。
そしてもう一冊はこれ、王道の「スー過去」です。
私は、このスー過去の問題を1日1問だけ、毎日解きました。
文章理解だけは、知識ではどうにもならず、自力をつけるしかないと考えたので、この方法を選択しました。
結果的には大正解だったと思います。
試験本番までに5回ぐらいは繰り返したと思います。
2.「数的推理」「判断推理」「資料解釈」は畑中敦子シリーズ一択
私が教養科目で最も重要だと思っている分野です。
その理由は2つあります。
- この分野を苦手としている人が多い
- 点数配分が高い(教養試験の20%〜30%)
公務員試験を受験する人は、なぜか数字を扱うのが苦手な人が多いです。
だから反射的に苦手意識を持つ人が多いです。
でも、この数的処理って実は数学ではなくてただの暗記科目なんですよね。
この分野が暗記科目だと理解できればすぐに得点科目になりますよ。
実際私はこの分野で、8割〜9割は安定して取れてました。
「数的推理」と「判断推理」は70の問題パターンを覚えるだけ
問題を解いてみるとわかるのですが、数的処理は中学生程度の数学の知識があれば解けます。
しかし、公務員試験はただ解けるだけではダメなんです。
いかに短時間で解けるのかが重要であり、そこが暗記科目だという所以です。
例えば
A〜Eの5人が100点満点のテストを受けた。次の条件である時Eの得点はいくらか。ただし得点はすべて整数である。
ア Aの得点はEの得点の1/3
イ Bの得点はEの得点の1/5
ウ Cの得点はEの得点の3/2
エ Dの得点はA〜Cの得点の合計に21点を加えた点数の1/2
答え 1.15点 2.30点 3.45点 4.60点 5.75点
この問題を数学として考えると、まず方程式を作って答えを出そうとするでしょう。
しかし、未知の値は5個(A〜E)で方程式が4つしか作れないので方程式では解けません。
なので、選択肢の答えを1つずつ当てはめてどれが正しいか確認することになるのですが、1つずつ順番に当てはめて考えていくと時間が足りません。
対して問題のパターンを知っている人は、まず問題文の「整数である」というところに注目します。
そしてア〜ウよりEの得点は30(3×5×2)の倍数であることがわかります。
その2点から当てはまる答えは2or4となりその二つを確認すれば解が2.30点であると導けます。
「数的推理」はこのように問題パターンごとの解き方を知っているか知らないかだけです。
なので、本屋で良本を選びあとはその参考書を反復して解くだけです。 「判断推理」も同じです。
「判断推理は」よくパズル問題と言われ、発想力や柔軟な思考が大事だと思っている人がいますが、これもパターンを覚えるだけの暗記科目です。
以前私が書いた記事の抜粋ですが、数的推理の場合、普通に問題を解くよりも、選択肢もフル活用して問題を解くことが、この科目を制覇するカギです。
「判断推理」も同じで、上記で紹介した本を繰り返し解くだけで簡単に得点科目になります。
私が紹介した参考書ベースでいうと、「数的推理」「判断推理」を合わせても解答パターンたった70個程度です。
たったこれだけで、教養科目の3割近くの点数を取ることができます。
勉強しない手はないです。
「資料解釈」はもはや算数レベルです。すぐに得点源にしよう
「資料解釈」は数学どころかもはや算数のレベルで解けます。
同じく解答のパターンをさっと覚えて得点源にしちゃってください。
とはいえ、少しだけ解説を加えますね。
この資料解釈LEVEL1〜4まで分かれています。
LEVEL3まで解けば十分です。
逆にLVEL4まで解こうとするとかなり時間を消費するので、かなり得意という人以外は手を出さないほうが良いでしょう。
3.自然科学は短期集中で勉強するべし
自然科学は「数学」「物理」「化学」「生物」「地学」の5科目あります。
この中で捨てる科目があるとすれば数学でしょうか。
それ以外は勉強すれば必ず得点できます。
それでは各科それぞれの紹介です。
数学:過去問を解いてわからなければ潔く捨てよう
先ほどの文章理解同様、数学についても知識でどうにかなるものではありません。
問題数も1問程度なので、最初に「地方上級 過去問500」で過去問を解いてみて、4割も解けなければ諦めてしまった方が良いです。
ちなみに私は、当初3割程度しか解けなかったですが、「スー過去」を毎日数問ずつ解いていました。
それでも、本番では50%程度の正答率だったので、今思えば、他の科目に時間を費やした方がよかったです。
物理:力学+原子、電磁気、波動のどれかを勉強しよう
物理はまず力学を勉強しましょう。
理由はもちろん頻出だからです。
あとは、志望する自治体の過去問を研究して、出そうな分野を1つ選んで勉強すれば良いと思います。
ちなみに私は、力学と電磁気を選びました。
物理についても数学と同様で理解することが大切です。
オススメする参考書は、この「橋元の物理を初めからていねいに」シリーズです。
大学受験の参考書としては大変有名で、公務員試験の勉強でも有用です。
この本を一読してから「スー過去 自然科学」を解くが最短ルートかと思います。
化学:苦手でも理論化学だけは抑えよう
考え方は、物理と同じです。
化学は理論の部分の出題率が高いので、そこだけでも抑えときましょう。
勉強方法も同じです。
ます「岡野の化学」を一読し、あとは「スー過去 自然科学」を解く。
これが最短です。
生物:簡単でかつ暗記科目、絶対に捨てないように
公務員試験の勉強をするまで生物って勉強したことがなかったんですが、生物ってめちゃ得点しやすいんですよね。
公務員試験の生物はセンター試験程度の理解があれば、簡単に得点できます。
「センター試験 生物基礎の点数が面白いほどとれる本」をさっと一読し、「ダイレクトナビ 生物・地学」を繰り返し解きましょう。
ここで初めで出た「ダイレクトナビ」シリーズですが、大変優秀な参考書です。
この本は過去問の問題文を加工しており、それを正文に直して読む形式なのですが、何よりも本の構成が良いのです。
本を開いた時に、左側に過去問、右側に答えと解説が載っています。
つまり、問題を見た後、解答ページをめくるという動作が不要なんです。
これって、結構大きな話で、問題を読んだ後に答えを見るって動作を公務員試験の勉強をしている間におそらく何千、何万という回数を繰り返すでしょう。
例えば、公務員試験期間中に2万回繰り返すとして、1回5秒の短縮だったとしても、100,000秒(約28時間)の時間が短縮できます。
これだけの時間があれば、1つの科目を学習できますよね。
問題数も100問とちょうどいいボリュームです。
地学:自然科学分野で最も楽勝
範囲も狭いし、ただの暗記科目です。
生物と同じで、「センター試験 地学基礎の点数が面白いほどとれる本」をさっと一読し、「ダイレクトナビ 生物・地学」を繰り返し解きましょう。
自然科学が苦手な人でも、生物と地学は絶対に捨ててはダメです。
嘘だと思って、1週間で「センター試験 生物基礎の点数が面白いほどとれる本」と「センター試験 地学基礎の点数が面白いほどとれる本」をざっとでいいので読んでください。
そしてダイレクトナビを解いてみると案外解けるもんですよ。
4.人文科学は取捨選択を誤ると命取り
私は、人文科学分野は地理以外ほとんど勉強したことがありませんでした。
まず歴史ってものに全く興味がありませんでした。
日本史と世界史については、高校のテストで毎回赤点をとっていた記憶しかありません。
しかし、日本史と世界史を両方捨て科目にするのはさすがにリスクが大きいので、地理との相性がまだ良い世界史を選択しました。
日本史については、勉強の合間に、ジャンプマンガを読む代わりに「マンガ 日本の歴史がわかる本」を読んでいました。
日本史:人文科学で捨てる科目を作るならこれ
先ほども述べましたが、私は日本史にはほとんど力を入れませんでした。
勉強の合間にマンガを読もうと思う気持ちで、「マンガ 日本の歴史がわかる本」を読んでいました。
それでも、3回程度読むとざっくりとした流れがわかって来たので、出題頻度の高い江戸時代と明治時代に絞って「ダイレクトナビ 日本史」で勉強しました。
歴史が苦手な方は、マンガから入るのは結構ありだと思います。
世界史:細かいところは気にせず俯瞰して勉強しよう
世界史は、広く浅く勉強するのが吉です。
ただ、浅いとはいえ範囲が広すぎるので、絞りましょう。
私は中世〜近現代に絞って勉強しました。
勉強法は日本史と同じです。
まず、「マンガ 世界の歴史がわかる本」を何度か読み、あとはダイレクトナビでなんでも繰り返し勉強しました。
世界史の場合は、追加で2冊ほど参考書を購入して、知識を取り入れました。
ある程度世界史を勉強したことのある人は不要かもしれません。
地理:地理は簡単。先に問題を解いてから解説書で肉付けしていこう
地理は他の科目と少し勉強方法が違います。
まず、「ダイレクトナビ 地理」で問題をガンガン解いて行きましょう。
ダイレクトナビの解説だけでは説明不足だと感じだところを「センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本」で知識の肉付けをしていくのが最も効率の良い勉強法だと思います。
1つアドバイスをするとすれば、地理という性質上、地図帳を一冊買って手元に置いておき、常に位置を確認しながら勉強すると、記憶の定着度も飛躍的に向上しますよ。
思想・文学・芸術:「光速マスター人文科学」を暗記するのみ
私にとって、ある意味最も苦痛な科目だったかもしれません。
なぜなら、本当にただ暗記するだけの科目だったからです。
日本史や世界史なども暗記科目なのですが、全体の流れを理解することで暗記の定着度を深めることができたのですが、この科目は違います。
本当に文字列の暗記だったので、覚えたこともすぐに忘れてしまいます。
テストの本番数週間前から短期集中で「光速マスター」を読んで暗記し、テスト後には綺麗さっぱりと忘れてしまいました。(笑)
5.社会科学は専門試験を受験する人には不要な分野、でも私はがっつり勉強しました
社会科学は、政治と経済があるのですが、専門試験を受験する人には特に勉強する必要はないかと思います。
ちなみに私は、専門試験のない自治体を受験するつもりだったので、地方公務員を受験するときは、社会科学を普通に勉強しました。
勉強の仕方は、「センター試験 政治・経済の点数が面白いほどよくとれる本」と「センター試験 現代社会の点数が面白いほどよくとれる本」の2冊を一読し、あとは、「ダイレクトナビ」と「スー過去」を何度も繰り返し解き続けました。
6.時事問題は「速攻の時事」一冊で十分
時事問題の参考書選びで悩むことはないでしょう。
それほどにこの本は良本であり、他の追随を許さない参考書なのです。
私は、新聞を購読していたので、時事問題については他の人よりも比較的明るかったと思います。
それでも、この本は必読書でした。
なぜなら、公務員試験の時事問題はその年ごとの旬な社会的話題が出題されるからです。
新聞の情報は網羅性がある分情報量も多いので、知識が浅くなりがちです。
そんな虫食いのような私の知識を、この本が助けてくれました。
この参考書は社会的な話題を上手く重み付けをして掲載してくれているので、頻出問題だけを重点的に効率的に勉強することができました。
特に、新聞を読むだけでは世の中全体情勢はわかるのですが、具体的な数値まではなかなか記憶できません。
公務員試験は具体的な数値を問う問題も出るので、この本を読めば、抑えて置かなければならない最低限の数字を覚えることができます。
この本は、読むのがオススメというよりは、もはや読んでない人が大きなハンデを負ってしまうというレベルです。
何度も言いますが必読書です。
必ず買いましょう。
最後に:全ての参考書に同じだけの時間をかけるのはやめよう
最後に私からのアドバイスです。
今回、かなり厳選して参考書を紹介しました。
それでも30冊以上になります。
かなり少ない数だとは思いますが、それでも全ての参考書を隅々まで読む時間はないと思います。
目的は、公務員試験の問題を合格するレベルまでの正答率にまで上げることです。
問題が解けると思えばその部分はバッサリと読み飛ばしましょう。
私は、公務員試験の勉強する中で、時間というものが有限であるということを強く認識させられました。
勉強しながらも常に、効率の良い勉強の仕方を考えながら勉強をしてください。
この参考書で公務員試験に合格することを心から願っております。
追記:電車通勤の方には動画学習もおすすめ
ここ数年で、プログラミングの動画学習教材の充実とYouTubeの注目度の向上により、動画による学習教材が増えてきています。
私も最近は、通勤時間中に副業に関する動画や音声を聞いています。動画は主に「YouTube」と、音声は「Voicy」と有料の音声教材です。実際に始めてみてわかったのですが、音声による学習って、活字を読むより頭に入り易いんですよね。感情が乗った人の言葉の方が、活字よりダイレクトに私の頭に直接訴えかけてくるんです。
私が勤め人をしながら公務員試験の勉強をしている時は、まだ動画や音声による学習がそれほど充実しておらず、電車の中でなんとか席を確保し、参考書を開いて学習していました。が、今は割と動画教材も充実しているので、候補の1つに入れてみても良いかもしれません。もちろん向き不向きがあるので、全員が向いているとは思いませんので、まずは資料請求をしてみて、どのようなものか調べてみることをオススメします。
ヒューマンアカデミーという資格取得学校の大手も、「たのまな」という通信講座をやっているようなので、1度資料請求してみてはいかがでしょうか。
2.参考書編→公務員試験に独学で2回合格した時のおすすめ参考書を全部まとめた
3.ES編 →これだけ読めば安心!現役公務員が教える落ちないエントリーシートの書き方
4.小論文編→公務員論文試験突破法!論文に独自性はいらない、目指すは合格者平均レベルだ
5.面接編 →現役公務員だからわかる面接対策!絶対落ちない目からウロコの2つの攻略法